最近暗記が苦手なお子さんが多く、当塾でも「うちの子暗記が苦手なんで、塾に行こうと思って」という理由で入塾を希望される方が増えています。
でも暗記って、実は若ければ若いほど得意で、年齢を重ねていけばいくほど衰えていくものなのです。(悲しいー)
だから、暗記は実は子供のうちが絶頂期で、この幼い内にどれだけ色々な事を覚えさせるかでその子のその後の人生に大きく影響していきます。
しかも、暗記は家庭で工夫してやった方が断然効率もいいですし、よっぽどすごい暗記法を専門に伝えている塾等でない限り、塾で暗記をするのはお金と時間の無駄です。
解き方を解説してもらう→塾
暗記→家
と思ってください。
脳みそに直接ペンで書きこんで暗記できるならやってあげたいですが、実際に暗記というものは自分で覚えようとして、集中しなければ難しいです。
中学・高校生になると、ゴロ暗記や、ひたすら書いて覚える暗記法など、塾で教わることもあると思いますが、簡単な英単語や漢字、九九、年代暗記などの小学生までのレベルのものは家で覚えたほうが断然良いです。
以前コミュニケーションで簡単に九九を覚える方法をご紹介しました。普段の何気ないコミュニケーションを、将来あまり役に立たないゲームキャラクターや子供番組のキャラクター名を覚えることに使うかわりに九九や英単語の暗記に活用しましょう!
漢字などは体で覚える
その他に、裏技として、暗記した方がメリットだらけなものは
円周率3.14の倍数です。
これは10倍までの10個でいいですし、厳密にいえば、1倍と10倍は覚えなくていいので8個で済みます。
これを覚えてさえいれば、いちいち毎回計算する時間が省けますし、計算ミスがなくなります。
難関私立校受験をする子は皆暗記しています。
スッと暗記できる子はいいですが、暗記が苦手な子はどうしたらいいでしょう?
その方法は、暗記したいものを紙に書いてトイレに貼る事です。
トイレは短い時間ですが、一日に必ず一回はいきますし、意外と集中する場所です。しかもヒマをもてあます空間でもあります。トイレに漫画やスマホを持っていくのではなく、暗記の時間にしましょう。
ただ、トイレに暗記したいものを書いた紙を貼っても見慣れてしまっては効果は薄いですし、見なければ意味がありません。
ちょっとしたコツがあります。
<トイレ暗記 初級編>
まず、暗記するものを書いた紙を貼る場所ですが、
用を足すときに真正面に見えるところにしてください。
女の子なら便座に座った時の正面の壁1か所で済みますが、男の子なら2か所ですね。
紙はなんでもいいですが、なるべくシンプルなものにしてください。コピー用紙やチラシの裏などでいいです。かわいいキャラクター等が印刷されたものだとそっちに集中がいってしまい、効果が半減してしまいます。
インテリアをかっこよくしたいご家庭には向いていませんが、トイレだけかっこ悪くなると我慢して、子供が暗記をしやすいようにサポートしてあげてください。
(くれぐれもデザインよく額などに入れたりちょっとでもかっこよくみせようとDIYなんてしないでくださいね!)
効果がなければ外せばいいわけですし。
試しにやってみてください。
1度に覚えるものは10個以内
たくさんあってもヤル気を失いますし、トイレの短時間では覚えきれません。10個以内にしてください。
曜日の英単語なら7個ですし、円周率の倍数なら10個。月の英単語などは12個になってしまいますが、1月~6月、7月~12月の6個ずつに分けてもいいでしょう。
縦に大きく書く
暗記するものは必ず縦に1個ずつ書いてください。また、大きくないと視覚的なインパクトが弱いので、必ず濃く、太く、大きく、きれいに書いてください。
そうすると、例えば英単語の場合
横に書いてしまうと September October November December
となりますが、
(9月) September
(10月) October
(11月) November
(12月) December
このように縦に書くと、一見複雑そうな単語でも9月から12月は全て最後が[~ber]となっていることに気がつきますし、9月から12月までの4つの内3つは[~ember]が共通していることが視覚的にわかりやすくなります。
(注:一番最初に貼るときは色も下線もつけず、シンプルに)
<トイレ暗記 中級編>
初級編だけだと、最初の内は興味を持ちますが、見慣れてしまい、しかも暗記しない可能性があります。
より効果を高めるために、テストをしてあげてください。
お母さんがトイレに行く度に覚えておいてもいいですし、台所の目立たないところに同じ紙を貼り、それを見ながらテストをしてあげてください。
覚えていなかったら本人が望めば何回でも覚え直し、挑戦しなおしさせてあげてください。別に1日1回でなくていいです。
そして、何度も間違えてしまうものはいつも間違えるところを赤く線をひいたりして目立たせて貼ります。
期限を決める
暗記するものを書いた紙に暗記を完了させる期限を設定し、明記してください。
期限がないとだらだらして、覚えません。
<トイレ暗記 上級編>
ここからは上級編です。
より暗記の効果を高めるには
親も一緒にやる
事が大事です。
ドンドン暗記をやっていって、テストもされると、子供はその内「なんで自分だけやらなきゃいけないの?」となります。
親が一緒になってお互いにテストしあったりすることで、「お父さんよりできた!」
「お母さんもう覚えてる!すごい」など、競争心が出ます。そして、親もやっているのでそれが当たり前な感覚になります。
ご褒美はあげない
できたからといってご褒美をあげないでください。
別に何も偉いことはしていません。ご褒美をあげてしまうと自分は偉いことをしたような勘違いをしてしまい、その後もご褒美をあげないと勉強をやらなくなってしまいます。
私はお小遣いもいらないと思っている派ですが、勉強をしてその対価をもらうなど変なしつけはいりません。労働に対価を払ってあげてください。
家のお手伝いをしたらお菓子をあげたり、兄弟の勉強を見てあげたらゲームを許してあげたりです。
当塾で「うちの子勉強嫌いなんです」と相談に来るお母様のほとんどが、テストでいい点をとったら1000円あげる、スマホを買ってあげる等過剰なご褒美で子供をやる気にさせようとしますが、すべて逆効果になります。そんなことをしなくてもやる子はやります。むしろ、性格悪く育ってしまいますよ。
やってあたりまえのことにご褒美はあげない
そのかわりに言葉で、「すごいね!できたね!」と、評価してあげてください。
子供が一番喜ぶのはちゃんと認めてあげることです。ですからできたときに、「じゃあ、つぎ!」とすぐ次の暗記をさせるのではなく、「すごいね!がんばったね!」と評価してあげてください。お母さん、お父さんの「愛情を注ぐ」という労力をお金や物で代わりにして楽をしないでください。
他にも飽きさせない工夫として、ご褒美ではありませんが、気になるクイズの答えを賞品にするというのも使える手です。
暗記する紙の最初にクイズやなぞなぞを書きます。そして、暗記ができたら、なぞなぞの答えを教えるという条件にします。
どんなに簡単ななぞなぞだとしても、暗記ができなければ答えは教えません。すると、ずっと気になって、答えを聞きたがり、結局暗記を頑張ってくれます。
この方法だと、なぞなぞを考えることで脳も鍛えられますし、暗記もできますし、ご褒美もいりません。(素晴らしー!)
おまけ
初級編から上級編までトイレ暗記の裏技をご紹介しましたが、もっと効果を高める方法としては
親もトイレに漫画やスマホを持ち込まない
ということが大事です。
まず、スマホ等をトイレに持ち込むのはお行儀が悪いですし、メリットひとつもありません。でも、結構やっている人います。
今すぐやめましょう。
汚い(トイレにいった手でスマホを触り、料理もするのですか?)
痔になる
他の人が待っている
スマホのカメラで盗撮されているかも!?
ほら、良いこと一つもありません。
親もスマホ等をトイレに持ち込まない事で、子供に良いお手本を見せられますし、同じように暗記の紙を見ることで、「どうしたらもうちょっと覚えやすくなるかな?」など、工夫のアイデアを考えることもできます。「確かに暗記は難しいな」と思えば子供に対しても「なんで覚えられないの!」なんてイライラしませんし、「お母さんはこうやって覚えてみたよ」なんてアドバイスもできて、コミュニケーションが深まります。
トイレ暗記、オススメです!