前回に引き続き時計のお話。
今回はもっとテクニカルかつ子供の視点から見た時計の問題が苦手な子の克服方法をご紹介します。
時計の問題が苦手な子
その原因は1分のの大きさが60秒
1時間の大きさが60分
この中途半端な60という数字で区切る基準が難しく感じる一因だと
思った
そこのあなた
ちっちっち!
子供をなめてはいけません。
まあ、たしかにいままで10とか100とかが一区切りだったのに60で切り替わるというのは混乱しないとは言いませんが、子供というのは案外すんなりうけいれるもので、「時計は60の単位で針が一周するんだよ」と仕組みを伝えるとそれ自体は割とはやく理解できます。
では、なぜ「4時10分前」や「5時55分の15分後」などが苦手な子がいるのでしょう。
それは子供が素直だからです。逆にいえば、素直すぎて、子供は視野が狭く、一つの事を言われたら、それしか考えられなくなり易いからです。
具体的に説明しましょう。
「前」の意味
「前」とはなんでしょう。「前に何が見えますか?」と言われて、振り返る人はいますか?子供にとって、「前」とは「front」つまり「前に進む」のように、「進む方向」なのです。それなのに時計では「前」は過去にさかのぼる「戻る方向」を意味します。
これと同じく、「10分後」などの 「後」という言葉は「うしろ」なのです。時計の針が戻る方向を「うしろ」「後」と考えてしますのです。
ですので、時計ができない子の問題点は実は「国語力」です。
「国語力」をどう強くしていくかは、本を読んだり、やはりコミュニケーションをとることが重要です。
前回の記事
九九と時計はコミュニケーションで解決できるとお伝えした通り、国語力もコミュニケーションで強くするものです。
そして、10分後などの計算が苦手な子には「時計は前と後ろでかんがえるのではなく右か左で考える」ように伝えてください。
「前」は左 「後(ご)」は右に動く
この、「後」を「ご」という風にしっかり読んで、「進む」や、「戻る」という単語でなく、「動く」と表現すると、理解しやすいです。
もしどうしてもご自宅でコミュニケーションをはかるのが難しかったり、塾に行かなければならない場合は時計が苦手な子には「算数」でなく「国語」を受講させてください。たぶん国語全般弱いと思います。
では今回はこのへんで。
追記:
先日入塾した子も時計の問題が苦手ということでした。
「4時20分前」の時刻を時計にかきこむという問題でしたが、しっかり「4時20分」にしていました。
ですから、さっそく上記のように「前」と「後(ご)」の説明を丁寧にして、また、自分が歩くときの方向とは違うことも説明したところ、すんなり混乱していた問題が解決できました。
最近の子供は語彙力の低下がかなり目立つので、「こんな当たり前のこと説明しないでもわかるだろう」と思わずに、色々な方面から「なにに混乱しているのか」よくヒアリングして教えてあげてください。
きっと、「そんな風に勘違いするんだ!」と子供ならではの観点に驚く事でしょう。(感動するときもありますよ)
子供の発想はとってもユニークで面白いですから。
ちなみに、もし面白い発想を目にしたときは存分に感心して褒めてあげてください。
褒めると、今まで間違うことが恥ずかしくて、「ここがわからない」と発言できなかった子も、先生が自分の言う答えに感心してくれると嬉しくなって、間違えてようが間違えてなかろうがどんどん自分はどう考えたか話してくれます。
たぶん「間違える」事への恐怖や不安感が安心感に変わるのでしょうね。
ユニークな答えに出会ったら、「なるほどねー!いや、その考えは面白いね!すごいよ!」と大袈裟なぐらい褒めてあげてください。そして他の問題についても、「じゃあ、これはどう思った?」とワクワクきいてあげてください。子供はまるで自分が面白い話をして先生がウケてくれていうような錯覚に陥り、勉強なのに、楽しい会話になっていきます。そして「いいなー、そういう発想好きだなー」という風にいってあげたり、次の授業で「前回の発想おもしろかったよねー」というと、一回だけのお世辞ではなくなり、「覚えていてくれている!」と子供の心に響きます。
ぜひ、褒めスペシャリストになって教わる方も教える方も楽しく勉強をすすめていきましょう!
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